チャンピオンズリーグでは悔しい結果に終わりましたが、スクデット8連覇を達成。ピッチ内外で楽しませてくれた1年でした。ユヴェントスの2019年をランキング形式で振り返ります。

第5位 ジャンルイージ・ブッフォンの復帰
2019年の夏、1年前にトリノを離れたそのゴールキーパーはパリから戻ってきました。キャリアの多くをユーヴェで過ごしたこともあり、その復帰は思ったよりも驚かず。むしろ驚いたのは、この移籍によってユーヴェがヴォイチェク・スジェズニーとブッフォンという贅沢なリストを持つことができたことです。

クラブとしては彼の経験やクオリティ、そしてジジ・ブッフォンという人間力をチームに伝えてほしいなどいくつかのメリットがあったことでしょう。そこに復帰を阻む壁はほとんどなかったはずです。

再契約の席上、ブッフォンを迎えたのはパヴェル・ネドヴェドでした。今、2000年代のチームを攻守において抜群の決定力とスピリットで引っ張った2人が再会し、大きな目標にチャレンジするラストシーズンを走っています。

 

第4位 スクデット8連覇と監督交代
マッシミリアーノ・アッレグリのチームはスクデット8連覇を達成しました。スクデットの連覇記録には不思議な驚きはなく、もはや恒例行事になっている印象さえあります。

そのミステルはシーズン終了後にクラブを離れました。その理由は定かではありませんが、彼の功績は言うまでもありません。どちらかというとミラン色の強かったアッレグリを迎え入れることに批判の声も少なくなかった中、準備不足の状況ながらも前任のアントニオ・コンテを引き継ぎ、そこから見事にスクデットを積み重ねてきました。派手なジャケットパフォーマンスやピッチ脇の集音マイクから響いてくる甲高い声が印象深い一方で、ピッチ内外でチームをまとめ、どんな状況でも試合を立て直すことができるという強さを証明してきました。監督としてのアッレグリの強い個性と実力は本当に素晴らしかったです。

後任はマウリツィオ・サッリ。異色の経歴を持つ指揮官は体調不良で開幕戦にベンチ入りできないなど不安なスタートになりましたが、ここまでは結果を残してきました。本当の勝負はここからです。

 

第3位 オフィシャルファンクラブが8シーズン目に突入
プロジェクトは8シーズン目にイン。日本のオフィシャルファンクラブ”Juventus Official Fan Club Giappone”は全国にそのネットワークを構築しています。2019年は数回のイベントに参加することができ、毎度のことながらユーヴェに対する皆さんの信じられないくらいの情熱を感じました。

このオフィシャルファンクラブの設立準備段階から数えると、共に応援するようになって約10年になる方々もいらっしゃいます。つまりいつもイベントなどに遅刻してきたりする愛すべきメンバーズなのですが、この長い年月で構築してきた信頼関係はそう簡単に崩れるものではなく、皆の日常に溶け込んでいるように見えます。この積み重ねてきた財産を失うことなく、更なるネットワーク拡大が広まればと思います。

アジア戦略を明確に打ち出したユーヴェ。私たちもそれに応えるべく、これまで同様に日本から声を届けたいと思います。そして、このサイトを訪れてしまった方々をオフィシャルファンクラブに誘導できればと。

 

第2位 クリスティアーノ・ロナウド!
ウィンガーとして、センターフォワードとして、右足でも左足でもヘディングでも……。そのプレーはいつも人を惹きつけるものがあります。

とりわけセンターフォーワードとしての決定力が印象深い1年でした。目立ったのは話題になったサンプドリア戦のようなヘディングでのゴール。まるで機械のような正確に叩き込むコントロールされたゴールには驚かされます。かつてはどちらかというとウィンガーとしてのイメージがありましたが、今ではセンターフォーワードとしてのロナウドというのも定着した感があります。

また、ここには狙ってこないだろうというコースに対して一瞬でかわし、鋭く振り抜いてニアサイドに叩き込むようなことをやってのける。強靭な肉体と誰にも真似できない技術の高さから生まれるプレーを止めることができません。

30代半ばに差し掛かっているはずですが、全くといって良いほど年齢を感じさせません。たまに不出来な試合があったとしても、次の試合では必ず挽回してきます。

2020年にロナウドに期待すること。それはもちろんチャンピオンズリーグでの決定的な仕事です。ロナウドだけでビッグイヤーを獲得することはできませんが、彼の活躍なしに悲願達成が難しいのも事実。

きっとティフォージ・ユヴェンティーニに新たな驚きを与えてくれるような活躍をしてくれるはずです。

 

第1位 変化するユーヴェ
いつも新鮮に思うこと。

それはクラブが現場や管理、プロモーションといったところで良い意味で仕掛けていること。時にやり過ぎの感が否めない場合もありますが、既にイタリアのトップクラブでありながら現状に踏み止まることなく時代を見据えた運営を意識してるように見えます。

それはアンドレア・アニェッリが2010年にクラブの指揮をとり始め、翌2011/12シーズンから始まった激動の8シーズンの詳細を見るとわかるのかもしれません。自前のスタジアムによって大幅な収益アップ、最近のSNSやアメリカ、アジア地域でのイメージ戦略といったマーケティングの強化、選手の出入りを含めた人件費の数字といったところは注目するところではあります。

2019年ではクリスティアーノ・ロナウド債券とも言われた非転換社債を発行しました。また、チケットに関する不正排除、とりわけこれまでタブーとも思われたクルヴァとは明確な線を引いた立場を主張したことは印象的でした。

ユニフォームのデザインが伝統的なストライプから変更されたのはどうかと思いますが、クラブが常に仕掛け続けていると感じる日々。これまでと同じ方法でやっていては取り残されてしまうという危機感なのか。あるいはサッカーという枠にとらわれない戦略にも感じます。他のサッカークラブがやっていないようなことを具体的に実行しているところは面白くもあり、期待してしまいます。

そして過去のイベントを見ても、日本のオフィシャルファンクラブがこの変わり続けるユーヴェの恩恵を十分に受けていると言えます。2020年、更なる恩恵を受けられることを期待しましょう。

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