Tessera del Tifoso(テッセーラ・デル・ティフォーゾ)。

イタリアサッカーを追いかけ始めてから触れた美しい響きながらも実際にはどのような意味を有しているか良くわからない言葉の1つでした。しかし、一言で表現するならサポーターカードを意味するこのカードがカルチョの世界では重要な役割を果たしているのがわかります。

ユヴェントス・フットボール・クラブは2019/20シーズンから適用される、このテッセーラ・デル・ティフォーゾの後継に位置するJUVENTUS CARDの発売をアナウンスしました。

 

このJUVENTUS CARDは10年間有効で価格は15ユーロ。例えば2019/20シーズンからチケットサービスなどを受ける場合はJUVENTUS CARDが必須になります。また、Juventus Membership会員はJUVENTUS CARD購入を必須にしています。これらは大々的にはアナウンスされていませんが、それなりに大きな変更です。

テッセーラ・デル・ティフォーゾと言えばシーズンチケットを購入するような地元のティフォージ・ユヴェンティーニが持つものという印象でした。

 

では、なぜこのルール変更が適用されたのでしょうか?

 

各クラブによってテッセーラ・デル・ティフォーゾの捉え方や運用はそれぞれ違うでしょうが、各サービスを受けるファンの管理という意味ではとてもやり易いのではないかと思われます。

そして、やはりスタジアム内外でのセキュリティ強化や危険回避策ともとれます。このカードを持つことはユーヴェの真のサポーターであることを意味し、決してユーヴェに迷惑をかけることはないという証明、言わばユーヴェに対する忠誠を示すものです。

クラブはスタジアム内外で問題を起こすような危険な人物にチケットを買わせるようなことはしたくないでしょうし、予防を張ることでリスク回避をしています。

現にここ最近ユーヴェのホームゲームチケットを購入する場合、条件が設定されています。

それはアリアンツ・スタジアムのほとんどのシートにおいて、アウェイチームの州都在住のユーヴェファンはユーヴェのテッセーラ・デル・ティフォーゾを持っていなければならないということです。

また、逆にチャンピオンズリーグなどのアウェイゲームのチケット購入でもテッセーラ・デル・ティフォーゾ保持者のみに限られている場合もあります。

稀にビッグゲームやダービーマッチにおいてすべてのチケットはテッセーラ・デル・ティフォーゾが必要という試合もありました。

これらの制限はスタジアム内外で起き得るリスクを最小限にとどめたいということなのです。最近でもスタジアム内外でのトラブルは珍しくなく、チャンピオンズリーグのアヤックス戦でもスタジアムへの入場禁止処分となるDaspoが適用されるような事件も起きていました。

今回のJUVENTUS CARD適用により、更にセキュリティ強化を図ったと言えそうです。アリアンツ・スタジアムにアクセスするには、このカードが必携になります。

JUVENTUS CARDはスタジアム内外での暴力と戦うために使用されるツール、クラブがティフォージとの関係をより密にし、同時にスタジアム内外の安全性を高めることを期待するツールでもあります。JUVENTUS CARD及びテッセーラ・デル・ティフォーゾは特定のセキュリティ上の理由で制限を受けるゲームでもスタジアムへのアクセスを許可する唯一の文書です。

 

それでは私たちはJUVENTUS CARDを作成、購入する必要はあるのでしょうか?

 

現地に試合を観に行かない限りは必要ないとも言えます(オフィシャルファンクラブのメンバーズカードで十分かもしれません)。ただ、今後推奨されていく可能性があるのではないかと思われます。価格も10年で15ユーロと決して高くはありませんし、持っていても損はないでしょう。

少し面倒な印象もある一方で、テッセーラ・デル・ティフォーゾと同等のJUVENTUS CARDを持つことができるという地元のサポーターのような感覚になることができそうです。

ユーヴェのホームゲームチケットは当日にスタジアムに行けば何の制限もなく普通に買うことができる。そんな時代が懐かしくもありますが、誰しもがテッセーラ・デル・ティフォーゾ、そしてJUVENTUS CARDを身近に感じられるようになってきました。

ではでは、JUVENTUS CARDを購入するか考えましょう……。

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